日本での合同会社(GK)設立ガイド-メリット、費用、および登録手続きの手順を分かりやすく徹底解説

更新日 Feb 24, 2026

  • 設立費用の安さ: 合同会社(GK)の登録免許税は最低6万円であり、株式会社(15万円〜)に比べて初期費用を大幅に抑えることができます。
  • 公証人による定款認証が不要: 株式会社とは異なり、合同会社は公証役場での定款認証手続きが不要なため、設立までの時間を短縮できます。
  • 経営の自由度: 出資比率に関わらず利益の配分を自由に決定できるため、技術やノウハウを持つパートナーを優遇する柔軟な経営が可能です。
  • 有限責任: 出資者は出資額の範囲内でのみ責任を負うため、個人資産が事業の負債にさらされるリスクを限定できます。
  • 社会的信用の向上: 個人事業主と比較して、日本国内での銀行口座開設や取引先との契約において高い信頼を得られます。

日本での合同会社(GK)設立ステップ:完全チェックリスト

合同会社の設立プロセスは、株式会社よりも簡略化されています。以下のステップに従って進めることで、スムーズに日本での法人格を取得できます。

  1. 基本事項の決定: 商号(社名)、本店所在地、事業目的、出資者(社員)、代表社員、資本金額、事業年度を決定します。
  2. 印鑑の作成: 法務局への登記には法人実印(代表者印)が必要です。商号が決まり次第、作成を依頼しましょう。
  3. 定款(ていかん)の作成: 会社の根本規則をまとめます。電子定款を利用すれば、4万円の収入印紙代を節約できます。
  4. 資本金の払い込み: 代表社員等の個人口座に資本金を振り込み、その通帳のコピーを払込証明書として使用します。
  5. 登記申請書類の作成: 設立登記申請書、代表社員の就任承諾書、印鑑届出書などを用意します。
  6. 法務局への登記申請: 本店所在地を管轄する法務局に書類を提出します。オンライン申請も可能です。
  7. 登記完了後の届出: 税務署、都道府県税事務所、年金事務所などへ設立届出を行います。

株式会社(KK)と合同会社(GK)の比較:どちらを選ぶべきか?

日本での法人設立において、株式会社(KK)と合同会社(GK)のどちらを選ぶかは、ビジネスの規模と将来のビジョンによります。

合同会社は、アップルやグーグル、アマゾンの日本法人も採用している形態であり、決して「簡易的な組織」ではありません。コストを抑えつつ、内部の意思決定をスピーディーに行いたいスタートアップや外資系企業の日本拠点に最適です。一方、将来的に日本国内での上場を目指す場合や、広範な資金調達を予定している場合は、社会的認知度が最も高い株式会社が適しています。

比較項目 合同会社 (GK) 株式会社 (KK)
登録免許税 最低 60,000円 最低 150,000円
定款認証費用 不要 (0円) 必要 (約30,000円〜50,000円)
役員の任期 無制限 最長10年 (更新手続きが必要)
意思決定 出資者全員の合意が基本 (柔軟) 株主総会・取締役会 (厳格)
利益配分 自由に設定可能 出資比率(持ち株数)に応じる
上場 不可能 (株式会社への組織変更が必要) 可能

公証役場での定款認証が不要なGKの登録ステップ

合同会社の最大のメリットの一つは、株式会社で義務付けられている公証役場での定款認証が不要である点です。

これにより、約5万円の公証人手数料を節約できるだけでなく、公証役場へ足を運ぶ手間も省けます。定款は自分たちで作成し、署名または記名押印するだけで法的効力を持ちます。ただし、紙の定款を作成する場合は4万円の収入印紙を貼る必要があります。この費用を回避するには、PDF形式の「電子定款」を作成し、電子署名を付与する方法が一般的です。このプロセスにより、設立コストを最小限に抑えながら、迅速に登記申請へと進むことができます。

必要となる最低資本金と銀行口座開設の注意点

日本の法律上、資本金は1円から設定可能ですが、実務上は慎重な検討が必要です。

資本金は会社の「体力」と見なされるため、極端に低い額(例:1円や100円)では、銀行口座の開設が断られたり、取引先からの信用を得られなかったりするリスクがあります。また、外国人が日本で「経営・管理」ビザを取得する場合は、通常500万円以上の資本金が求められます。

銀行口座開設については、近年、マネーロンダリング対策として審査が非常に厳格化されています。特に合同会社で代表者が外国人の場合、事業実態を証明する資料(事業計画書、ウェブサイト、契約書など)の提示を求められることが多いため、登記完了前から準備を進めておくことが重要です。

登録免許税および司法書士・弁護士への報酬見積もり

合同会社の設立には、法定費用と専門家への報酬という2種類のコストが発生します。

  1. 法定費用(必ずかかる費用):

    • 登録免許税: 資本金の額の1000分の7。ただし、これが6万円に満たない場合は、最低額の60,000円となります。
    • 定款の印紙代: 紙の場合は40,000円(電子定款なら0円)。
  2. 専門家報酬(依頼する場合):

    • 司法書士・弁護士: 設立手続きの代行を依頼する場合、一般的に50,000円〜150,000円程度の報酬が発生します。
    • 翻訳費用: 外国法人が親会社となる場合、現地の登記簿謄本などの日本語訳が必要になり、別途数万円かかる場合があります。

総額として、自分ですべて行う場合は約6万円〜10万円、専門家に依頼する場合は約15万円〜25万円程度を見込んでおくのが現実的です。

代替案としての日本支店(Branch Office)開設の検討

日本市場進出の際、新しい法人(子会社)を作るのではなく、外国企業の「支店」として登録する選択肢もあります。

支店は日本で営業活動を行うための拠点であり、外国の本社と同一の法人格として扱われます。

  • メリット: 資本金の準備が不要であり、本社の信用力をそのまま利用できる場合があります。
  • デメリット: 支店の活動から生じた法的責任や負債はすべて外国の本社が直接負うことになります。また、税務申告において本社の財務状況を合算して計算する必要があるなど、会計処理が複雑になるケースも多いです。

長期的に日本でのプレゼンスを高め、リスクを日本法人内に限定したい場合は、合同会社または株式会社の設立(子会社化)が推奨されます。

合同会社設立に関するよくある誤解

1. 「合同会社は株式会社より社会的信用が低い」

これは古い認識です。現在では、Apple Japan、Google Japan、Amazon Japanなどの世界的企業が合同会社の形態をとっています。B2Bビジネスにおいても、事業内容と実績が伴っていれば、形態の差で不利になることはほとんどありません。

2. 「1円でも設立できるから、手元資金がなくても大丈夫」

法律上は可能ですが、設立後すぐに発生する備品購入費や賃料、税金の支払いに耐えられません。また、前述の通り銀行口座開設やビザ取得の面で大きな障害となるため、現実的には数ヶ月分の運転資金を含めた資本金設定が不可欠です。

3. 「定款は一度作れば変えられない」

定款は総社員の同意によって変更可能です。ただし、商号や目的、本店所在地など、登記簿に記載されている事項を変更した場合は、その都度、変更登記の手続きと登録免許税(通常3万円)が必要になります。

よくある質問(FAQ)

合同会社の設立にはどれくらいの期間がかかりますか?

書類の準備に1〜2週間、法務局への申請から登記完了までにさらに1〜2週間程度かかるのが一般的です。全体で約1ヶ月を見ておけば安心です。

日本に居住していない外国人でも合同会社を設立できますか?

可能です。かつては代表者のうち少なくとも一人が日本居住者である必要がありましたが、現在はその制限は撤廃されています。ただし、日本の銀行口座開設には居住者がいないと非常に困難な現実があります。

法人実印(ハンコ)は必ず作らなければなりませんか?

はい、法務局へ登記を申請する際、会社の印鑑を登録する必要があります。最近は電子署名によるオンライン申請も進んでいますが、日本での契約実務においては依然として物理的な印鑑が必要な場面が多くあります。

弁護士や司法書士に相談すべきタイミング

日本の会社法や登記手続きは非常に厳格であり、わずかな書類の不備で申請が却下されたり、修正のために何度も法務局へ足を運ぶことになったりします。以下のような場合は、専門家への相談を強くお勧めします。

  • 外国法人が出資する場合: 本国の書類の公証や訳文の作成など、複雑な手続きが伴います。
  • ビザの取得を検討している場合: 「経営・管理」ビザの要件を満たすような定款作成や資本金設定が必要です。
  • 複数の出資者がいる場合: 将来のトラブルを防ぐため、利益配分や権限について定款で詳細に定めておく必要があります。

次のステップ

  1. ビジネスプランの確定: 日本での事業目的と必要な資本金を明確にします。
  2. 専門家への相談: 法務局のサイトで基本情報を確認するか、信頼できる弁護士・司法書士に見積もりを依頼しましょう。
  3. 印鑑の準備と定款作成: 登記の核となる部分を固め、具体的な書類作成に入ります。

日本でのビジネスを成功させる第一歩として、正しい構造で法人を設立することは、将来の成長に向けた強固な基盤となります。

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