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合弁会社(JV)の設立方法とJVA(合弁契約書)の重要条項|拒否権・デッドロック・出口戦略

公開日 Jan 26, 2026 · 更新日 Sep 28, 2026

このガイドの作成にはAIツールが利用されています。

要点

  • 支配権を左右するのは出資比率そのものより、会社法309条2項の「特別決議」(出席株主の議決権の3分の2以上)と、JVA(合弁契約書)で定める拒否権です。60:40のJVでは、40%側が単独で定款変更や合併を止められます。
  • デッドロック条項は「協議の期限」と「最終的な出口」を日数と価格決定方法まで書き込まないと機能しません。
  • 外国企業が参加するJVでは、外為法の事前届出または事後報告、場合によっては公正取引委員会への届出が、クロージングの時期を最も大きく左右します。
  • 登記可能な「共同代表」制度はすでに廃止されています。代表取締役の権限はJVAの事前承認事項と社内規程で縛ります。
  • 外国パートナーとのJVでは、東京を仲裁地とするJCAA仲裁を第一候補に考えてください。2024年4月施行の改正仲裁法で、仲裁廷の暫定保全措置を日本で執行できるようになりました。

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最終更新:2026年9月(2024年施行の改正仲裁法、2025年5月施行の外為法関連改正を反映)

JVA(合弁契約書)とは何か:株主間契約との違い

JVA(Joint Venture Agreement/合弁契約書)は、複数の企業が共同で出資して合弁会社を設立・運営する際に、出資比率、役員構成、拒否権、デッドロック時の処理、撤退条件などを定める当事者間の契約です。JVAが設立前の約束から運営ルールまでを一体で扱うのに対し、株主間契約(SHA)は、すでに存在する会社の株主同士が議決権行使や株式譲渡のルールを定める契約を指すことが一般的です。実務では両者の境界はあいまいで、合弁会社の運営ルールを定めた契約であれば、名称よりも中身が問われます。

日本で合弁会社を設立するとき、JVAは会社法を補完するものであって、会社法に代わるものではありません。会社法が定める決議要件や取締役の義務を前提に、「会社法のデフォルトでは困る部分」を契約で上書きする。この発想を持つと、JVAに何を書くべきかが見えてきます。

よくある失敗パターンを一つ挙げます。50:50で設立したJVで、数年後に一方の親会社が競合他社に買収されます。ところがJVAには支配権変更(チェンジ・オブ・コントロール)条項も株式の買取条項もありません。残された側は、競合の傘下に入った相手と取締役会を続けるしかなく、予算は承認されず、事業は止まります。こうした事態は、契約書に条項が1本あれば防げました。

議決権の比率と拒否権はどう設定すべきか?

議決権の設計が、JVの支配権を決めます。ここでは出資比率より、会社法の決議要件のどこに線が引かれているかが重要です。

決議の種類 決議要件(会社法) 主な対象事項
普通決議(309条1項) 定足数:議決権の過半数(定款で変更可。ただし役員の選任・解任は3分の1未満に下げられない)/出席株主の議決権の過半数 取締役の選任・解任、計算書類の承認、剰余金の配当(通常の場合)
特別決議(309条2項) 定足数:議決権の過半数(定款で3分の1まで軽減可)/出席株主の議決権の3分の2以上 定款変更、合併・会社分割、事業譲渡、解散、募集株式の第三者割当(非公開会社)
拒否権(JVAによる事前承認事項) 当事者間の合意による 年度予算・事業計画、一定額以上の借入・投資、主要資産の処分、新規事業、関連当事者取引

2社だけのJVでは、通常は両社とも株主総会に出席します。そのため、特別決議は事実上「総議決権の3分の2以上」の賛成が必要になると考えてよいでしょう。

シナリオ:60:40のJV

A社60%、B社40%の場合、A社は普通決議で取締役の過半数を選べます。一方で、特別決議に必要な3分の2には届きません。B社の40%は3分の1を超えているため、B社は定款変更、合併、事業譲渡、解散を単独で否決できます。A社が特別決議を単独で通せるようにしたいなら、出資比率を67%以上にするか、B社の拒否権をJVAで放棄させる必要があります。

逆に少数株主側が守るべきなのは、特別決議の対象にならない日常の重要事項です。予算、借入、役員報酬、親会社との取引といった事項は、普通決議や取締役会決議で決まってしまいます。これらはJVAの事前承認事項として列挙しておくべきです。金額基準(例:「1件5,000万円超の借入・投資」)で線を引くと、後で解釈をめぐって争いになりにくくなります。

拒否権は定款にも反映させる

JVAの拒否権は当事者間の約束にすぎません。相手がJVAに違反して議決権を行使しても、その株主総会決議自体は原則として有効です。残る手段は損害賠償などの契約上の請求になります。会社法上の効力まで持たせたい場合は、拒否権付種類株式(108条1項8号)や取締役選任権付種類株式(非公開会社のみ、同項9号)を使い、定款に書き込むことを検討してください。

デッドロックを解消する条項はどう書くか?

デッドロックとは、50:50の出資や拒否権の存在によって重要事項が決まらず、事業が動かなくなる状態です。「誠実に協議する」とだけ書いた条項は、ほぼ役に立ちません。必要なのは期限と、最後に何が起きるかです。

筆者が推奨する標準的なタイムラインは次のとおりです。

  1. デッドロックの発生通知:同一議案が2回連続で否決された時点で、いずれの当事者も書面で通知できる。
  2. マネジメント協議(通知から30日以内):各社の担当役員レベルで協議する。
  3. トップ協議(さらに30日以内):各親会社のCEOまたは代表取締役が直接交渉する。
  4. 出口手続(トップ協議の期限経過後):次のいずれかの仕組みで、一方が退出する。
    • プット・オプション:自社の株式を相手方に買い取らせる権利。
    • コール・オプション:相手方の株式を買い取る権利。
    • ロシアン・ルーレット:一方が価格を提示し、他方はその価格で「買う」か「売る」かを選ぶ。

全体で60〜90日程度で出口にたどり着く設計が、事業価値を守るための目安です。

価格決定方法:筆者の推奨

  • 通常のデッドロック:当事者が合意した独立の評価機関による公正価値(フェア・バリュー)を基準にします。評価機関の選任方法と、評価結果に不服がある場合の手順(例:2社の評価の平均)まで決めておきます。
  • 契約違反や支配権変更による退出:公正価値の80〜90%など、あらかじめ定めた割引価格での買取りとします。違反した側に不利な価格設定にすることで、違反の抑止力になります。
  • 固定算式(例:純資産額×倍率):計算は簡単ですが、事業の成長段階によって実態から大きくずれます。単独で使うことはおすすめしません。

財務体力に大きな差がある当事者同士では、ロシアン・ルーレット条項は推奨しません。資金力のある側が低い価格を提示すれば、相手は買い取る資金を用意できず、安値で売るしかなくなるからです。

知的財産権(IP)の帰属とライセンスをどう規定するか?

製造業やIT分野のJVでは、IPの条項が企業の競争力を左右します。最初に区別すべきなのは、親会社が持ち込む既存技術(バックグラウンドIP)と、JVで新たに生まれる技術(フォアグラウンドIP)です。

  • バックグラウンドIP:親会社に帰属させたまま、JVにライセンスします。ライセンス料の有無、対象地域、期間、サブライセンスの可否を明記してください。JVが解消された場合にライセンスがどうなるか(終了か、一定期間の継続か)まで決めておく必要があります。
  • フォアグラウンドIP:JVに帰属させるのが原則です。ただし、JV解消時にどちらの親会社が使えるのか(共有にするか、一方が買い取るか、双方に非独占ライセンスを与えるか)を設立時に合意しておかないと、最も価値のある資産の扱いで争いになります。
  • 改良技術:JVが親会社の技術を改良した場合、改良部分の権利をめぐって紛争が起きやすくなります。「改良発明は元の技術を提供した親会社に帰属し、JVには無償でライセンスする」といった形で、帰属先を先に決めてしまうのが確実です。

役員派遣と取締役会の構成:日本法の制約

取締役の人数や指名権の配分は、JVAで比較的自由に設計できます(例:「A社が3名、B社が2名を指名する」)。実務では、各当事者が相手方の指名した候補者の選任に賛成し、指名した当事者の求めがあれば解任にも賛成する、という議決権拘束の合意を置くのが一般的です。

一方で、派遣された取締役が負う義務は会社法で決まっており、JVAで変えることはできません。

  • 善管注意義務(330条、民法644条)と忠実義務(355条):取締役は派遣元ではなく、JVに対してこれらの義務を負います。親会社の指示に従った結果JVに損害を与えれば、取締役個人の責任が問われる可能性があります。
  • 競業取引・利益相反取引(356条):JVと親会社との取引や、JVの事業と競合する親会社の事業に派遣取締役が関わる場合には、JVの取締役会での承認が必要になる場面があります。親会社との取引が多いJVでは、承認手続を運営ルールとして定めておいてください。

代表取締役と「共同代表」

日本の代表取締役は、会社の業務に関する一切の行為について包括的な代表権を持ちます。かつては複数の代表取締役が共同でなければ代表できない「共同代表」を登記できましたが、この制度は2006年の会社法施行で廃止されました。現在、「共同で行使する」と社内で決めても、それは内部的な制限にすぎず、善意の第三者に対抗できません(349条5項)。

代わりに、次の3つを組み合わせてください。

  1. JVAの事前承認事項で、代表取締役が単独で決められない事項を列挙する。
  2. 取締役会規程・職務権限規程で、金額基準ごとの決裁権限を定める。
  3. 少数株主側から副社長やCFOを派遣し、実務で牽制できる体制をつくる。

議決権を持たずに取締役会へ出席し、意見を述べられるオブザーバーの派遣を認めるのも有効です。

日本での合弁会社の設立方法:手順・費用・届出

基本合意から設立登記の完了まで、一般に3〜6か月かかります。外為法の事前届出や独占禁止法の届出が必要な場合は、その審査期間がスケジュールを決めます。

ステップ1:基本合意書(LOI/MOU)と機密保持契約

情報交換の前に機密保持契約(NDA)を結び、事業目的、出資比率、役員構成の骨子を基本合意書にまとめます。独占交渉義務や費用負担を除けば、基本合意書は法的拘束力を持たない形にするのが通常です。

ステップ2:デューデリジェンス

パートナー企業の財務、法務、許認可、そして持ち込まれる資産やIPの権利関係を調査します。

ステップ3:JVAの交渉・締結

本記事で取り上げた条項を、タームシートを経て契約書に落とし込みます。

ステップ4:規制上の届出(外国企業が関わる場合は最優先)

  • 外為法の対内直接投資:外国投資家が非上場の合弁会社の株式を取得することは、対内直接投資に当たります。合弁会社の事業が指定業種(武器、航空機、原子力、電力、通信、サイバーセキュリティ関連など)に該当する場合は、財務大臣と事業所管大臣への事前届出が必要です。届出後は原則30日間、株式を取得できません(短縮されることもあります)。指定業種に該当しない場合でも、原則として取得から45日以内の事後報告が求められます。また、2025年5月19日施行の改正により、外国政府の情報収集活動に協力する義務を負う「特定外国投資家」は、事前届出免除制度を利用できなくなりました。パートナーの株主構成や本国法も確認してください。詳しくは経済産業省の資料を参照してください。
  • 独占禁止法の企業結合届出:親会社から事業を移管する形(会社分割・事業譲渡)や既存会社への資本参加でJVを組成する場合に、問題となりえます。株式取得であれば、取得側グループの国内売上高が200億円を超え、対象会社グループの国内売上高が50億円を超え、議決権比率が20%または50%を超えるときに、公正取引委員会への事前届出が必要です。届出が不要な場合でも、競合する事業者同士のJVは競争法上の実体審査の対象になりえます。詳しくは公正取引委員会のQ&Aで確認してください。

ステップ5:会社の形態の選択(株式会社か合同会社か)

多くのJVには株式会社が向いています。会社法上のガバナンスの規律が詳しく、種類株式で拒否権や取締役選任権を設計できるうえ、株式の譲渡や第三者の追加出資にも対応しやすいからです。合同会社は定款認証が不要で費用が安く、利益配分も柔軟に決められます。ただし、定款変更には原則として総社員の同意が必要になるなど、デフォルトのルールが株式会社と大きく異なります。当事者が少なく、出資比率と異なる利益配分をしたい場合に検討する形態です。

ステップ6:出資と現物出資

金銭出資のほか、親会社が設備やIPを現物出資することもできます。現物出資では原則として裁判所が選任する検査役の調査が必要ですが、出資財産の価額の総額が500万円以下の場合や、弁護士・公認会計士・税理士などの証明を受けた場合などには不要になります(33条)。IPを現物出資するか、ライセンスにとどめるかは、税務も含めて検討してください。

ステップ7:定款認証・設立登記

費用項目 株式会社 合同会社
登録免許税 資本金の0.7%(最低15万円) 資本金の0.7%(最低6万円)
公証人の定款認証手数料 資本金100万円未満:3万円/100万円以上300万円未満:4万円/それ以外:5万円 不要
収入印紙(紙の定款の場合) 4万円(電子定款なら不要) 4万円(電子定款なら不要)

2024年12月に導入された定款認証手数料の軽減(1万5,000円)は、発起人が3人以下の自然人である場合などに限られます。法人が発起人となるJVには、まず適用されません。市区町村の特定創業支援等事業の証明を受けると登録免許税が半額になる制度もありますが、主に個人の創業者を想定した制度のため、法人同士のJVで利用できる場面は限られます。書類がそろえば、登記の申請から完了までは1〜2週間程度です。

ステップ8:事業開始

業種ごとの許認可の取得、銀行口座の開設、親会社との各種契約(ライセンス、供給、出向、業務委託)の締結を行います。

紛争解決:日本の裁判所か、国際仲裁か

外国パートナーとのJVでは、東京を仲裁地とするJCAA(日本商事仲裁協会)仲裁を第一候補と考えてください。ICCやSIACも選択肢になりますが、日本の会社や日本法に関する紛争であれば、仲裁地を東京とすることで日本の裁判所による支援手続を使いやすくなります。

観点 日本の裁判所 国際仲裁(JCAA、ICC、SIACなど)
言語 日本語(外国語の書証には訳文が必要) 英語などを合意で指定できる
公開性 原則公開 非公開
海外での執行 相手国との相互の保証が条件。中国など、事実上執行できない国がある ニューヨーク条約により、170を超える締約国・地域で執行が可能
不服申立て 控訴・上告ができる 原則一審限り(取消事由は限定的)
費用 比較的安い 仲裁人報酬などで高額になりやすい

日本の判決は国内では強制執行できますが、相手の資産が海外にある場合は事情が変わります。判決の効力が及ぶかどうかは相手国の承認次第で、中国のように相互の保証がないとされる国では事実上執行できません。この点が、仲裁を選ぶ最大の理由になります。

加えて、2024年4月1日に施行された改正仲裁法(令和5年法律第15号)により、仲裁廷が命じた暫定保全措置(資産の処分禁止など)について、裁判所の執行等認可決定を得たうえで日本国内で執行できるようになりました。JV解消時に相手が株式や資産を勝手に処分するおそれがある場面では、この点が実務上の利点になります。

パートナーが日本企業のみで、資産も国内にしかない場合は、日本の裁判所を選ぶのも十分合理的です。その場合は、東京地方裁判所などを専属的合意管轄として定めてください。

日本でのJV設立でよくある誤解

「51%持っていれば思い通りに会社を動かせる」

51%で確実に通せるのは普通決議までです。定款変更、合併、事業譲渡には3分の2が必要で、49%を持つパートナーはこれらを単独で止められます。また、議決権または発行済株式の3%以上を持つ株主は、会計帳簿の閲覧・謄写を請求できます(433条)。JVのパートナーは当然この要件を満たします。ただし、請求者が会社と競争関係にある事業を営む場合、会社は請求を拒否できます(同条2項3号)。パートナーが競合事業者であることの多いJVでは、情報の開示範囲をJVAで別途合意しておくほうが確実です。

「JVAがあれば会社法は気にしなくていい」

会社法の強行規定に反する合意は、会社法上の効力を持ちません。たとえば、株主総会で取締役を解任する権限(339条)は定款でも奪えません。JVAでできるのは、「指名した当事者の同意なく解任に賛成しない」という当事者間の約束までです。

JV設立の主要チェックリスト

  • 議決権比率が3分の1・過半数・3分の2のどこに位置するかを確認したか
  • 拒否権(事前承認事項)を金額基準も含めて列挙し、必要に応じて定款にも反映したか
  • 取締役の指名権、代表取締役の選任方法、社内の決裁権限を合意したか
  • デッドロックの手順を日数と価格決定方法まで定めたか
  • 支配権変更・契約違反時の買取条項を入れたか
  • IPの帰属、ライセンス条件、解消時の取扱いを明確にしたか
  • 競業避止義務の範囲と期間は適切か(独占禁止法上の問題がないか)
  • 外為法の事前届出・事後報告の要否を確認したか
  • 公正取引委員会への届出の要否を確認したか
  • 紛争解決の方法、仲裁機関、仲裁地、言語を指定したか

よくある質問

JVAと株主間契約(SHA)の違いは何ですか?

JVAは、合弁会社の設立前の義務(出資、許認可の取得、関連契約の締結)から運営ルール、撤退条件までを一体で定める契約です。株主間契約は、既存の会社の株主同士の議決権行使や株式譲渡のルールを中心に定めます。合弁会社の運営ルールを定めているなら、名称にかかわらず実質は同じで、効力は当事者間にとどまります。

定款とJVAの内容が矛盾したらどうなりますか?

会社と第三者との関係では定款が優先します。JVAに反する株主総会決議であっても、定款と会社法に沿っていれば原則として有効です。JVA違反は当事者間の損害賠償などの問題として処理されます。重要な拒否権や取締役選任権は、種類株式などを使って定款にも反映させてください。

日本でのJV設立にはどのくらいの期間がかかりますか?

基本合意から設立登記の完了まで、一般に3〜6か月です。登記自体は書類がそろえば1〜2週間で終わります。外為法の事前届出(原則30日の待機期間)や公正取引委員会の審査が必要な場合は、その期間を見込んでください。

JVAは英語で作成しても有効ですか?

有効です。ただし、定款や登記書類は日本語で作成する必要があります。日本の裁判所で紛争を解決する場合は、英文の契約書に訳文を付けることになります。英語で仲裁を行う合意にしておけば、この負担を避けられます。

日本企業とのJVで最も多い失敗原因は何ですか?

法的な観点から見ると、出口戦略の欠如です。親会社の戦略転換、買収、業績不振といった事態は、長期のJVではいずれ起こります。そのときの別れ方を決めていないJVほど、解消に何年もかかります。

弁護士に相談すべきタイミング

遅くとも、基本合意書に署名する前です。出資比率と役員構成の骨子は基本合意の段階でほぼ固まり、後から変えるのは困難だからです。

特に次の場面では、専門家の関与が欠かせません。

  • 議決権比率、拒否権、種類株式の組み合わせを設計する場合
  • IPの現物出資、移転、ライセンスが含まれる場合
  • 外為法や独占禁止法の届出が必要になりうる場合
  • 国際仲裁条項や準拠法を起案する場合

次のステップ

  1. NDAを締結する:パートナー候補との情報交換の前に結びます。
  2. 規制上の論点を洗い出す:外為法の指定業種への該当性と、競争法上の届出の要否を早い段階で確認します。
  3. アドバイザーを選ぶ:日本の会社法と国際取引の両方に通じた法務・財務の専門家を確保します。
  4. タームシートを作成する:出資比率、拒否権、デッドロック、出口の4点を先に合意します。

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